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資料元:環境省、元日本道路公団、IUCN、佐伯 緑
データ 1 狩猟者登録を受けた者による年間捕獲数の変移(1923−2006)

データ 2 年間有害駆除数の変移(1960−2006)

データ 3 平均年間捕獲密度分布(1990−1998)

データ 4 高速道路での交通事故死体回収数と交通量の関係
回帰分析: Y = -3765.11 + 20.7581X (r-sq = 97.6%)
Y = 交通事故死体数; X = 交通量

参考までに: 交通量は年度ごとに増加しているので、X軸は時間系列に相当する。このグラフから、交通事故死体が増えているからといって単純に個体数が増加しているとは言えないことが分る。また、タヌキでは回帰直線が得られたが、回帰曲線になる種(例えばシカとかキツネ)もあった。
出典: Saeki, M. and Macdonald, D. W. 2004. The effects of traffic on the raccoon
dog (Nyctereutes procyonoides)
and other mammals in Japan. Biological Conservation 118: 559-571.
データ 5 分布:自然環境保全基礎調査
以下のPDFファイルをダウンロードしたら、86ページにタヌキの分布図が見られます。
http://www.biodic.go.jp/reports2/5th/ap_mam/5_ap_mam.pdf
データ 6 タヌキの大きさ
タヌキの平均成獣体重は4.9kg (n = 28; SE = 0.123)であった。性差は体重のみならず、体長(59.7cm)、尾長(18.5cm)、後肢長(11.3cm)、耳長(4.3cm)にも見られなかった。
以上、千葉県長生郡での捕獲個体及び交通事故死体からの計測。
一般に、成獣は亜成獣(6ヶ月未満)や当歳獣(1年以下)より体重は重いが、個体差は大きい。当歳獣が成獣より大きいこともある。季節及び繁殖状態によって体重には差がある。例えば、4月に交通事故死した雌の個体は4頭の胎児を有していて、5.85kg(調査地で三番目に重い)もあった。もし、彼女が生き延びて出産し、子育てをすれば、体重は急激に減少したであろう。4月中旬より6月中旬(出産期及び授乳初期)には罠掛けを自粛したので、その期間は交通事故死体のデータしか含まれない。
以下の写真の頭骨はすべてイヌ科のものである。
左から、タヌキ(千葉県)、コヨーテ(米国、メイン州)、オオカミ(カナダ、ラブラドール州)
類似と相違を味わって(観察・観賞して)下さい。

データ 7 タヌキによる農作物被害
1999年に行った都道府県へのアンケート調査(回答率95.7%;計44都道府県;沖縄県にはタヌキが生息しない為アンケートを送っていない)によると、30の都道府県(68.2%)が、タヌキによる農作物被害があると答え、農作物の種類は合計41であった(表1)。なお、返答があった全ての都道府県が、何らかの野生動物による農作物被害があると答えた。
主な傾向は、トウモロコシ、スイカ、及び様々な果実類に被害が多く、日本全国で被害が見られる。
表1.タヌキの被害報告があった都道府県の数。
|
種類 |
農作物名 |
no. |
種類 |
農作物名 |
no. |
|
穀類 |
トウモロコシ |
15* |
豆類 |
大豆 |
5 |
| デンタコーン |
1 |
枝豆 |
1 |
||
| 米 |
5 |
そら豆 |
1 |
||
| 小計 |
25* |
小計 |
13* |
||
|
芋類 |
馬鈴薯 |
4* |
果実 |
メロン |
4* |
| サツマイモ |
6* |
リンゴ |
1 |
||
| タロイモ |
1* |
ブドウ |
6* |
||
| 山芋/自然薯 |
3 |
モモ |
3* |
||
| 小計 |
14* |
ナシ |
4 |
||
|
その他の野菜 |
キャベツ |
3 |
スモモ |
1 |
|
| トマト |
5* |
キンカン |
1 |
||
| 茄子 |
2* |
桑の実 |
1 |
||
| うり |
1 |
小計 |
58* |
||
| スイカ | 11 | 菌類 | 椎茸 | 1 | |
| 小計 | 34* | 小計 | 1 | ||
|
家禽 |
カモ |
1 |
養魚 | ヤマメ | 1 |
| 小計 |
5* |
小計 | 1 |
*はハクビシンを合わせた数(合計されていた)。農作物の種類の小計が集計したものより多いものがあるのは、種類のみで回答した都道府県があったため。
1999年には、二都道府県でタヌキによる大きな被害が報告され(76,362,000円と 39,800,000円)、十都道府県が百万円以上の被害があったと回答した。(比較参考:北海道のシカの被害額は1996年に50億円と推定された。)
タヌキの農作物被害は、全国的に発生していると考えられるが、その規模は殆どの場合小さい。また、二都道府県のみ(6.7%)でタヌキの被害が過去五年間に増加していると答えたの対し、28の都道府県(63.6%)が野生動物被害が増加していると回答した。シカ、イノシシ、ニホンザルによる被害が増加している為、タヌキによる被害がそれらに隠れてしまっているかもしれない。しかし、農家にとっては、たとえ全体的規模は小さくても深刻な問題で、有効な被害防除を開発、確立しなければならない。また、社会全体で野生動物による被害問題に対処する必要がある。
被害防除策
1999年に、20の都道府県(48%)がタヌキの有害駆除、7の都道府県(16%)が中型獣の被害対策として柵・ネットの防除を行なったと回答した。有害駆除の有効性は5の都道府県(25%)であると答え、ある都道府県(5%)はないと答え、その他70%の都道府県は有害駆除の有効性について分らないと答えた。環境省のデータによると1999年に有害駆除を行なった都道府県は27であった。
表2. 非致死的防除策概要.
|
方法 |
例 |
有効性 |
欠点 |
|
締め出し |
|
適切に作り維持管理 していけば有効 |
|
|
威嚇 忌避 |
|
|
|
|
直接防除 |
ポリネットやテープなどを個々の果実やトウモロコシなどにかける |
未知 |
労働力 |
|
他 の食物 |
|
未知 |
|
|
環境可変 |
|
おそらく有効 (特に威嚇方法と組み合わせれば) |
維持管理 |
|
移動 |
生け捕りして他所に放獣 |
勧められない |
|
タヌキに食べられたトウモロコシ
畑で食べたものは半分くらい残っている。
近くの薮に持っていったものは完全に食べている。
データ 8 世界の分布とタヌキの色んな言語での名前
(一部の文字が正確に表記されない場合もあります。また、明らかに間違いがあると思われる場合はご連絡ください。Eメールcarnivora@infoseek.jpまで)

縦縞:在来種としての分布/横縞:移入種としての分布
中国語 貉(Hao/Hao-zi)
韓国語
(Nurgoori)
インドネシア語 tjerpelai
ロシア語Енотовиднокуче(Entovidnaia cobaka)
フランス語 Chien viverrin
ドイツ語 Marderhund
スペイン語 Perro mapache
フィンランド語 Supikoira
スエーデン語 Mardhund
ジョージア語 (Entiseburi dzagli)
クロアチア語 Kunopas
ルーマニア語 Cainele enot
スロヴァキア語 Psik medviedikovity
チェコ語 Psiik myvalovity
スロヴェニア語 Rakunasti pes
ハンガリー語 Nyestkutya
セルビア語 Pакуноликипас/Pакунопас
ノルゥエー語 Marhund
デンマーク語 Marhund
ルチアニア語 Usurino suns/ Usurinis suo
ポーランド語 Jenot
ブルガリア語 Eнотовидно куче
エストニア語 Kahrikkoer/Kahrik
マケドニア語 Pаконовиднокуче
オランダ語 Wasbeerhond
イタリア語 Gane procione
ポルトガル語 Cao-mapache
エスペラント語 niktereuto
データ 9 IUCNイヌ科スペシャリスト・グループによるタヌキ・アクションプラン
以下のサイトからChapter 5をダウンロードして下さい。136ページからタヌキのセクションです。
http://www.canids.org/cap/index.htm
